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Agency Theory
エージェンシー理論
仕事を任せる人(プリンシパル)と任される人(エージェント)の利害は一致せず、情報も偏っている。その結果生じるズレとコストを、監視や報酬の設計で抑えようとする理論。
問い仕事を他者に任せるとき、相手に自分の利益のために動いてもらうにはどうすればよいか。
Behavioral Theory of the Firm
企業の行動理論
企業は一枚岩の利益最大化マシンではなく、利害の異なる人々の連合体である。目標と実績の差を見ながら、限られた探索とルールに頼って意思決定する、と説明する理論。
問い企業は、現実にはどのように目標を立て、意思決定し、行動を変えるのか。
Bounded Rationality
限定合理性
人は合理的であろうとするが、情報も計算能力も時間も限られている。そのため最適解を探すのではなく、「これで十分」と思える案で満足して決める、とする考え方。
問い能力や情報に限りのある人間は、どのように意思決定しているのか。
Contingency Theory
コンティンジェンシー理論(条件適合理論)
「どんな場合にも最善の組織」は存在しない。環境や技術などの条件に組織の形が合っているとき、成果が高まる、とする理論。
問い組織の最適な構造は、どのような条件によって変わるのか。
Evolutionary Theory of the Firm (Routines)
進化経済学(組織ルーティン)
企業の行動は、合理的な計算よりも、習慣化した「ルーティン」によって行われる。ルーティンは遺伝子のように受け継がれ、探索によって変わり、市場で選択される、とする理論。
問い企業の能力や行動パターンは、どのように保たれ、どのように変わっていくのか。
Exploration and Exploitation
探索と活用(知の探索・知の深化)
組織の学習には、新しい可能性を試す「探索」と、既にあるものを磨く「活用」がある。活用は確実で早く成果が出るため優先されやすいが、探索を怠ると長期的な適応力を失う、とする枠組み。
問い組織は、新しいことへの挑戦と、今の強みを磨くことの間で、資源をどう配分すべきか。
Garbage Can Model
ゴミ箱モデル
組織の意思決定は、問題・解決策・参加者・選択機会が別々に流れ込み、たまたま同じ「ゴミ箱」に居合わせたときに起こる。合理的な手順より、タイミングで決まることが多いとするモデル。
問い目標も手段も曖昧な組織では、意思決定はどのように行われるのか。
Institutional Isomorphism
制度的同型化
同じ業界の組織は、効率のためというより、周囲から正統だと認められるために、互いに似た形になっていく。その力には強制・模倣・規範の三つがある、とする理論。
問いなぜ同じ分野の組織は、互いに似通っていくのか。
Institutional Logics
制度ロジック
市場、専門職、家族、国家、宗教など、社会には複数の「当たり前」の考え方(ロジック)がある。どのロジックが優勢かによって、組織や人が何を重視し、どう行動するかが変わる、とする視点。
問い社会にある複数の価値観や規範は、組織や個人の行動をどう方向づけ、どうぶつかり合うのか。
Institutionalized Organizations (Myth and Ceremony)
制度化された組織(神話と儀式)
組織の公式な構造は、仕事の効率のためではなく、社会で「合理的」とされる考え方(神話)を儀式的に取り入れた結果であることが多い。実際の業務とは切り離されていることもある、とする理論。
問い組織の公式な構造は、なぜ実際の仕事のやり方と一致しないことがあるのか。
Loose Coupling
ルース・カップリング(緩やかな結合)
組織の部分同士は、互いに反応しあいながらも、それぞれの独自性を保ち、ゆるくしかつながっていない。この「ゆるさ」が、欠点であると同時に適応の強みにもなる、とする見方。
問い組織の各部分がきっちり連動していないことは、何を意味し、どんな働きを持つのか。
Organizational Ambidexterity
両利きの経営(組織の両利き)
既存事業を磨く力と、新しい事業を切り開く力を、一つの組織の中で同時に持つこと。そのために、異なる文化を持つ部門を分けつつ、トップが統合する、といった仕組みが必要だとする理論。
問い組織は、既存事業の効率化と新事業の開拓を、どうすれば両立できるのか。
Organizational Culture
組織文化
組織文化とは、集団が問題を解決する中で身につけ、「当たり前」として新しいメンバーに伝えていく前提の体系である。目に見える人工物、表明された価値観、無意識の基本的前提の三層からなる、とする理論。
問い組織の「らしさ」はどのように形成され、人々の行動をどう方向づけるのか。
Organizational Identity
組織アイデンティティ
「私たちは何者か」という問いへの、組織メンバーの答え。中心的で、独自で、時間を超えて続くと考えられている組織の特徴であり、戦略や変化への反応を方向づける。
問い組織メンバーは「自分たちは何者か」をどう理解し、それが行動にどう影響するのか。
Organizational Legitimacy
組織の正統性
組織の存在や行動が、社会の規範や価値観に照らして「適切だ」と受け入れられている状態。正統性があると資源や支持を得やすく、組織は正統性を獲得・維持・回復しようとする。
問い組織は、社会から「ふさわしい存在だ」と認められるために何をするのか。
Paradox Theory
パラドックス理論
組織には、短期と長期、効率と創造、統制と自由のように、矛盾しながらも両方必要な要素がつきまとう。どちらかを選ぶのではなく、両方を抱え続けることが長期的な成果につながる、とする理論。
問い組織は、互いに矛盾するが両方とも欠かせない要求に、どう向き合えばよいのか。
Population Ecology
個体群生態学
個々の組織は大きく変わることが難しい。組織の世界の変化は、主に新しい組織の誕生と古い組織の消滅によって起こる、と生物の進化になぞらえて説明する理論。
問い組織の多様性はなぜ生まれ、環境の変化に応じてどう入れ替わっていくのか。
Punctuated Equilibrium
断続均衡モデル
組織は、長い安定期の中で少しずつしか変わらず、ときおり短期間に根本からまとめて変わる。変化は連続的ではなく、「安定」と「革命」の繰り返しとして起こる、とするモデル。
問い組織の大きな変化は、少しずつ積み重なって起こるのか、それとも一気に起こるのか。
Pyramid of Corporate Social Responsibility
CSRピラミッド
企業の社会的責任には、経済的責任を土台に、法的責任、倫理的責任、社会貢献(慈善的)責任という四つの層がある、と整理した枠組み。
問い企業は、社会に対してどのような責任を、どの順序で負っているのか。
Resource Dependence Theory
資源依存理論
組織は必要な資源を外部に頼っており、頼る相手に行動を縛られる。だから組織は、合併・提携・役員派遣などで依存をコントロールしようとする、とする理論。
問い組織は、外部の他者への依存をどのように管理しようとするのか。
Sensemaking
意味形成(センスメイキング)
人は、予想外の出来事に出会うと、手がかりを拾い、もっともらしい筋書きをつくり、それに基づいて動く。組織とは、この意味づけと行動が絶えず繰り返される過程だとする視点。
問い人々は、曖昧で予想外の状況にどのように意味を与え、行動につなげるのか。
Stakeholder Theory
ステークホルダー理論
企業は株主だけのものではない。従業員、顧客、取引先、地域社会など、企業に影響を与え、影響を受けるすべての人々(ステークホルダー)の利害を考えて経営すべきだ、とする理論。
問い企業は誰のために経営されるべきで、多様な利害をどう調整するのか。
Stewardship Theory
スチュワードシップ理論
経営者は必ずしも利己的ではなく、組織のために働くこと自体に動機づけられる「執事(スチュワード)」でありうる。その場合、監視より信頼と権限の委譲が成果を高める、とする理論。
問い経営者を信頼して任せることが、監視するより良い成果を生むのはどのようなときか。
Structural Holes
構造的空隙
互いにつながっていない人々の間に位置する仲介者と、その位置から生じうる利点を考える。
問い異なる集団をつなぐ位置は、アイデアや成果にどう関わるのか。
The Strength of Weak Ties
弱い紐帯の強さ
弱い紐帯が、密につながった集団の間を結ぶことで情報の伝播に関わるという視点。
問い情報や機会は、どのように集団の境界を越えるのか。
Transaction Cost Economics
取引費用理論
取引には、相手を探し、交渉し、約束を守らせるためのコストがかかる。そのコストが大きい取引ほど、市場ではなく組織の内部(階層)で行われる、とする理論。
問いある活動は、なぜ市場で外部から買うのではなく、組織の内部で行われるのか。
Upper Echelons Theory
アッパーエシュロン理論(経営上層部理論)
組織は、そのトップ経営者たちの映し鏡である。経営者の経験・価値観・性格が状況の見え方を左右し、それが戦略の選択と業績に表れる、とする理論。
問い経営者が誰であるかは、企業の戦略や業績にどの程度影響するのか。
Brokerage
仲介
互いに直接結びついていない人や集団の間を媒介する位置や行為。
問い集団をまたぐつながりは、どのように働くのか。
Organizational Learning
組織学習
組織が経験や試行を通じて行動や知識を変化させる現象。
問い組織の経験は、将来の行動にどう影響するのか。
Exploration and Exploitation in Organizational Learning
組織学習における探索と活用March 1991 · Organization Science
新しい可能性の探索と、既存の確実性の活用の関係を考察する論文。
問い組織は探索と活用をどのように配分するか。
Sensemaking in Organizations
組織における意味形成Weick 1995 · SAGE Publications
組織における意味形成を体系的に論じた書籍。
問い人々は経験をどう解釈し、組織を形づくるか。
Structural Holes and Good Ideas
構造的空隙と優れたアイデアBurt 2004 · American Journal of Sociology
構造的空隙をまたぐネットワークと、アイデアの関係を扱う論文。
問い異なる集団を結ぶネットワークは、アイデアにどう関わるか。
The Strength of Weak Ties
弱い紐帯の強さGranovetter 1973 · American Journal of Sociology
社会ネットワークを通じて、ミクロとマクロの関係を考察する論文。
問い紐帯の強さは情報の伝播にどう関わるか。
Strong ties / Weak ties
強い紐帯と弱い紐帯
紐帯の強さと、ネットワークの橋渡しという二つの観点を区別して考えるための論点。
問いどのような情報や活動に、どのようなつながりが役立つのか。