理論・視点

Organizational Culture組織文化

一言で言うと

組織文化とは、集団が問題を解決する中で身につけ、「当たり前」として新しいメンバーに伝えていく前提の体系である。目に見える人工物、表明された価値観、無意識の基本的前提の三層からなる、とする理論。

説明したい問い組織の「らしさ」はどのように形成され、人々の行動をどう方向づけるのか。
原典Schein, E. H. (1985)
Organizational Culture and Leadership
分類Theory
分析単位チーム · 組織
理論系譜社会学 · 認知
01

中核的な問い

同じような制度を持つ会社でも、働き方や意思決定の雰囲気は大きく違う。その違いの正体は何で、どこから生まれ、変えることはできるのか。

02

主張とメカニズム

Schein (1985) は、文化を三つの層で捉えた。いちばん表面にあるのが、オフィスの設計、服装、儀式などの人工物である。その下に、理念や行動指針として語られる価値観がある。最も深い層に、意識されないほど当然視された基本的前提(人間観、時間観、真理の決め方など)がある。

文化は、創業者や初期のリーダーの考え方が、実際に成功をもたらす中で集団に共有されていくことで形成される。表面の人工物だけを見ても、その意味は深い前提を理解しないと読み解けない。

03

身近な例

「フラットで自由な会社」を掲げるオフィスにカフェがあり、服装も自由でも、会議では誰も上司に反対しないことがある。人工物や表明された価値観と、実際に共有されている前提(上の意見には従う)がずれている例である。

04

主要概念

人工物(artifacts)
建物、服装、言葉遣い、儀式など、目に見える文化の表れ。
信奉された価値観(espoused values)
組織が公式に掲げる理念や方針。
基本的前提(basic assumptions)
当然視され、意識すらされない信念。文化の本質とされる。
05

代表的な展開研究

  • O'Reilly, C. A., Chatman, J., & Caldwell, D. F. (1991). People and organizational culture: A profile comparison approach to assessing person-organization fit. Academy of Management Journal. DOI ↗組織文化の価値プロファイルを測定し、個人との適合が満足や定着に関わることを示した。
06

批判と境界条件

文化をリーダーが設計・管理できるとみる見方は楽観的すぎるという批判がある。組織には複数の下位文化があり、一枚岩の文化は存在しないという見方(分化的視点・断片化視点)もある。また、「強い文化」が環境変化への適応を妨げる危険もある。

REFERENCES

出典

  • 原典Schein, E. H. (1985). Organizational Culture and Leadership. Jossey-Bass.

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