FIELD / LEADERSHIP
リーダーシップ
研究分野「リーダーシップ」(Leadership)に分類される項目です(理論 15・論文 1・研究法 4)。ひとつの理論が複数の分野に属することがあります。
理論・視点 15
虐待的管理(アビューシブ・スーパービジョン)Abusive Supervision上司が、敵意のこもった言葉や態度(身体的な接触を除く)を部下に向け続けていると、部下が知覚する程度を指す概念。部下の職務満足や組織への情緒的なコミットメントの低下、精神的な消耗、仕事と家庭の葛藤、離職と結びつくことが示されてきた。リーダーシップのコンティンジェンシー・モデルContingency Model of Leadership Effectivenessメンバーが協力して一つの課業に取り組む集団の業績は、リーダーのスタイル(LPC得点で測る)と、状況がリーダーにどれだけの勢力と影響力を与えるか(状況の好意性)との組み合わせによって左右され、状況によって高い業績を上げるリーダーのスタイルが異なるとする理論。目標設定理論Goal-Setting Theory人が意識的に目指す目標が行動を直接に方向づけ、難しく具体的な目標は、易しい目標や「ベストを尽くせ」という曖昧な目標よりも高い成果につながる、とする理論。集団浅慮(グループシンク)Groupthinkまとまりの強い集団では、全員一致を保とうとする力が、代わりの選択肢を現実的に検討しようとする力を上回り、その結果、集団がずさんな決定を下してしまう、とする理論。LMX理論(リーダー・メンバー交換理論)Leader-Member Exchange (LMX) Theoryリーダーシップを、リーダー個人の特性や行動ではなく、リーダーと一人ひとりのメンバーとの二者関係の質としてとらえ、その関係が成熟したパートナーシップに育つほど、双方に多くの恩恵が生まれるとする理論。組織文化Organizational Culture組織文化とは、集団が問題に対処する中で身につけ、妥当と認められて、正しい見方・考え方として新しいメンバーに教えられていく基本的前提の型である。目に見える人工物、表明された価値観、無意識の基本的前提の三層からなる、とする理論。パラドックス理論Paradox Theory組織には、短期と長期、効率と創造、統制と自由のように、矛盾しながらも両方必要な要素がつきまとう。どちらかを選ぶのではなく、両方を抱え続けることが長期的な成果につながる、とする理論。パス・ゴール理論Path-Goal Theory of Leader Effectivenessリーダーの役割は、部下が仕事の目標を達成したときに得られる報酬を高め、そこに至る道筋(パス)を明確にし、障害を取り除くことにあり、どのリーダー行動が効果的かは仕事の性質などの状況によって変わるとする理論。PM理論Performance-Maintenance (PM) Theory of Leadershipリーダーシップには、集団の目標の達成にかかわるP(performance)機能と、集団の社会的な安定を保つM(maintenance)機能があり、両方を示すPM型のリーダーのもとで、部下の生産性と職務態度がもっともよくなりやすいとする理論。心理的安全性Psychological Safetyチームのメンバーが「このチームでは、対人関係上のリスクをとっても安全だ」という信念を共有していると、フィードバックを求める、誤りについて話し合うといった学習行動が起こりやすくなり、それがチームの成果につながる、とする理論。自己決定理論Self-Determination Theory人には有能さ、自律性、関係性という三つの基本的な心理的欲求があり、それらが満たされる環境では内発的動機づけや、外からの価値の取り込み(内在化)が進み、成長と健康につながる、とする理論。SL理論(状況対応リーダーシップ)Situational Leadership Theoryリーダーの効果的なスタイル(仕事の指示と、部下への気づかいや支援の組み合わせ)は部下の成熟度(仕事の能力と意欲)によって変わり、成熟度が上がるにつれて指示型・説得型・参加型・委任型へと移していくべきだとする、処方型のリーダーシップ理論。スチュワードシップ理論Stewardship Theory経営者は必ずしも利己的ではなく、組織のために働くこと自体に動機づけられる「執事(スチュワード)」でありうる。その場合、監視より信頼と権限の委譲が成果を高める、とする理論。変革型リーダーシップTransformational Leadershipリーダーは、報酬と引き換えに働きを求める取引だけでなく、部下の意識や欲求そのものを高め、自分の利害を超えて集団のために、当初の期待以上の働きをするよう動機づけることができる、とする理論。アッパーエシュロン理論(経営上層部理論)Upper Echelons Theory組織の戦略や業績は、そのトップ経営者たちの価値観と認知の基盤を映し出している、とする理論である。Hambrick & Mason (1984) は、年齢や職歴、学歴といった観察できる経歴から、組織の成果を部分的に予測できると提案した。論文・書籍 1
Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams職場のチームにおける心理的安全性と学習行動「チームの心理的安全性」という概念を提示し、オフィス家具メーカーの51チームを対象に、質的調査とアンケートを組み合わせて検証した論文。心理的安全性は学習行動を通じてチームの成果につながり、リーダーのコーチングや組織の支援は心理的安全性を通じて学習行動に影響することを示した。研究法 4
共通方法分散(同じ回答者によるバイアス)Common Method Variance同じ人に同じアンケートで複数のことを尋ねると、測り方が共通していることで回答が同じ方向にずれ、変数どうしの関連が歪むことがある。関連を強く見せることも弱く見せることもあり、どこまで深刻かは研究者のあいだで意見が分かれている。相関と因果(内生性)Correlation, Causation, and Endogeneity二つのことが一緒に起きていても、一方が他方の原因だとは限らない。共通の原因、逆向きの影響、自分で選んだことによる偏りがあると、関連の大きさだけでなく向きまで誤ることがある。「関連している」と書くだけでは足りず、因果と言うには何が足りないのかを示す必要がある。分析のレベル(生態学的誤謬)Levels of Analysis同じ二つの変数でも、個人ごとに見るか、地域や組織の平均で見るかで、関係の強さも向きも変わることがある。集団のデータから個人を語る誤りと、個人のデータだけで集団の影響を見落とす誤りの両方がある。理論が何についての主張か、データをどの単位で集め、分析したかを合わせる必要がある。媒介分析Mediation Analysis「X が M を通じて Y に効く」という仕組みを確かめる分析。経営学でも広く使われてきたが、一度の調査では M と Y の順番も大きさも正しく推定できないことが多く、原因だけを割り当てた実験でも偏りは残る。有意な結果は、仮定した仕組みと矛盾しないことを示すにとどまる。OTHER FIELDS
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