FIELD / INNOVATION
イノベーション
研究分野「イノベーション」(Innovation)に分類される項目です(理論 21・概念 1・論点 1)。ひとつの理論が複数の分野に属することがあります。
理論・視点 21
吸収能力Absorptive Capacity外部の新しい知識の価値に気づき、それを取り込み、自社の商業的な成果に結びつける能力は、それまでに蓄積してきた関連知識の水準に大きく左右される、とする理論。アーキテクチュラル・イノベーションArchitectural Innovation製品の部品そのものはほとんど変えず、部品どうしのつなぎ方(アーキテクチャ)を組み替える革新は、既存企業が持つつなぎ方についての知識を役に立たなくし、しかもその知識は組織の仕組みに埋め込まれていて変化に気づきにくく直しにくいため、見かけ以上に既存企業を苦しめる、とする理論。境界物(バウンダリー・オブジェクト)Boundary Objects立場や専門の異なる集団が、完全な合意なしに協働できるのは、それぞれが自分なりに解釈しながらも共通に使える「モノ」があるからだ、とする考え方。創造性の構成要素モデルComponential Model of Creativity創造的な成果は、領域に関する技能、創造性に関する技能、課題への動機づけの三つがそろったときに生まれ、とくに内発的な動機づけが創造性を高め、外からの制約はそれを損ないうる、とする理論。コア・コンピタンスCore Competence企業の競争力の根っこは、個々の製品や事業ではなく、複数の事業にまたがって生かせる技術やスキルの束にある。企業はそれを軸に事業を組み立てるべきだ、とする理論。イノベーションの普及Diffusion of Innovations新しいアイデアや製品は、人々のあいだのコミュニケーションを通じて時間をかけて広がり、その速さはイノベーションの性質や採用する人の特徴によって決まる、とする理論。破壊的イノベーションDisruptive Innovation優良な大企業は、主要顧客の声に応えて製品を改良し続けるからこそ、最初は性能が劣り安価な新技術を軽視し、やがてその技術を持つ新興企業に市場を奪われる、とする理論。ダイナミック・ケイパビリティDynamic Capabilities環境が速く変わる中で競争優位を保つには、今ある資源を持つだけでは足りない。社内外の資源を組み合わせ直し、作り変える能力が重要だ、とする理論。ブリコラージュEntrepreneurial Bricolage資源の乏しい起業家は、手元にあり、他の人が価値がないと見なすような資源を組み合わせて使い回すことで、新しい問題や機会に取り組み、「何もないところから何かをつくり出す」ことがある、とする理論。進化経済学(組織ルーティン)Evolutionary Theory of the Firm (Routines)企業は最適化の計算ではなく、過去に用いてきた「ルーティン」に従って行動するとみなし、その行動の連続性と市場での選択から、競争、技術変化、経済成長を動的な過程として説明しようとする理論である。Nelson & Winter (2002) が、1982年の著書以来の展開を整理している。探索と活用(知の探索・知の深化)Exploration and Exploitation組織の学習には、新しい可能性を試す「探索」と、既にあるものを磨く「活用」がある。活用は確実で早く成果が出るため優先されやすいが、探索を怠ると長期的な適応力を失う、とする枠組み。アイデア・ジャーニーIdea Journeyアイデアは、生成、精緻化、支持獲得、実装という段階を通る。段階ごとに必要なもの(認知的柔軟性、支援、影響力と正統性、共有ビジョン)が変わるため、ある段階で役立つ人間関係やネットワーク構造は、別の段階では害になる。創造者は状況の捉え方を変え、思い浮かべる相手を切り替えることで、この矛盾を乗り越えるとされる。オープン・イノベーションOpen Innovation企業は研究開発を自社内だけで完結させるのではなく、外部の知識を取り込み、自社で使わない技術を外部に出すことで、より多くの価値を生み出せる、という視点。両利きの経営(組織の両利き)Organizational Ambidexterity既存事業を磨く力と、新しい事業を切り開く力を、一つの組織の中で同時に持つこと。そのために、異なる文化を持つ部門を分けつつ、トップが統合する、といった仕組みが必要だとする理論。知識創造理論(SECIモデル)Organizational Knowledge Creation (SECI Model)組織の新しい知識は、言葉にしにくい暗黙知と、言葉や数字で表せる形式知が、共同化・表出化・連結化・内面化の四つの過程を通じて変換され、個人から組織へと螺旋状に広がることで生まれる、とする理論。イノベーションからの利益獲得Profiting from Innovation新しい技術を最初に生み出した企業が、必ずしもその利益を得られるとは限らない。誰が利益を手にするかは、模倣のしやすさ、支配的な設計が定まっているか、製造や販売などの補完的資産を誰が持つかで決まる、とする理論。スモールワールドと創造性Small Worlds and Creativity協働のネットワークが、密なまとまりどうしを短い経路で結ぶ「スモールワールド」の性質を強めるほど、創造的な成果は高まるが、強くなりすぎると逆に下がる、とする理論。構造的空隙Structural Holes互いにつながっていない集団の間の隙間(構造的空隙)をまたぐ位置にいる人は、多様な情報にいち早く触れ、それを集団の間で翻訳できるため、成果や良いアイデアにつながる優位を得るという理論。Burt が1992年の著書で体系化した。技術的不連続とドミナント・デザインTechnological Discontinuities and Dominant Design技術は、飛躍的な変化(技術的不連続)が起きて複数の設計が競い合う混乱期を経て、一つの標準的な設計(ドミナント・デザイン)に落ち着き、その後は小さな改良が続く、という周期で進むとする理論。テルティウス・イウンゲンスTertius Iungensつながっていない人どうしを引き合わせたり、すでにつながっている人どうしの新しい協力を促したりする「結びつける第三者」の志向が、組織のイノベーションへの関与につながるとする理論。ユーザー・イノベーションUser Innovation新しい製品やサービスは、メーカーではなく、それを使う人(ユーザー)が自分の必要から生み出していることが少なくない。とくに市場の先端にいる「リードユーザー」は、将来の需要を先取りした発想の源になる、とする理論。概念・現象 1
仲介Brokerage互いに直接つながっていない人や集団の間に立ち、両者を結びつける位置や行為。情報や資源の流れを左右するため、ネットワーク研究の中心的な概念の一つになっている。論点 1
強い紐帯と弱い紐帯Strong ties / Weak ties弱いつながりと強いつながりのどちらが役に立つのか、という論点。答えは、求めるものが新しい情報か、複雑な知識か、信頼や支援か、によって変わることが分かってきている。OTHER FIELDS
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