仲介Brokerage
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互いに直接つながっていない人や集団の間に立ち、両者を結びつける位置や行為。情報や資源の流れを左右するため、ネットワーク研究の中心的な概念の一つになっている。
目次
定義
Stovel & Shaw (2012) は、仲介を、社会的・経済的・政治的な関係の中で、価値ある資源へのアクセスを容易にするために、行為者どうしを結びつける過程と定義した。仲介者(ブローカー)は、自分がいなければつながらない二者の間に立ち、情報、資源、機会の流れを媒介する。
仲介の5つの型
Gould & Fernandez (1989) は、仲介者と、情報や資源を渡す側、受け取る側が、どの集団に属しているかによって、仲介を5つの型に分けた。三者がすべて同じ集団に属する「コーディネーター」、仲介者だけが別の集団に属する「巡回型の仲介者」、受け取る側の集団にいる仲介者が外からの流れを取り次ぐ「ゲートキーパー」、渡す側の集団にいる仲介者が外へ流れを送り出す「代表者」、三者がそれぞれ異なる集団に属する「リエゾン」である。
位置としての仲介と行為としての仲介
ネットワーク上で仲介しうる位置にいることと、実際に仲介の行為をしていることは区別される。構造的空隙の議論は、主に位置が生む情報と統制の利点に注目してきた。これに対して Obstfeld (2005) は、つながっていない人どうしを引き合わせたり、すでにつながっている人どうしの新しい協力を促したりする行動の志向(tertius iungens)に注目し、空隙を維持して利益を得るのとは異なる仲介のあり方を示した。
身近な例
たとえば、社内の法務部門と新規事業チームの両方と話ができる社員がいるとしよう。この社員は、双方の要望を取り次ぐことで重宝される(位置の利点)。一方、両者を直接会わせて打ち合わせを設定すれば、自分が間に立つ必要はなくなるが、プロジェクトは早く進む(引き合わせる仲介)。同じ位置にいても、どちらの行動をとるかで、本人と組織が得るものは変わる。
代表的な展開研究
- Gould, R. V., & Fernandez, R. M. (1989). Structures of mediation: A formal approach to brokerage in transaction networks. Sociological Methodology. DOI ↗集団の所属にもとづいて仲介を5つの型に分け、ネットワーク・データから測定する方法を示した。
- Burt, R. S. (2004). Structural holes and good ideas. American Journal of Sociology. DOI ↗集団をまたぐ仲介の位置にいる管理職ほど、良いアイデアを出し、評価されやすいことを示した。
- Obstfeld, D. (2005). Social networks, the tertius iungens orientation, and involvement in innovation. Administrative Science Quarterly. DOI ↗つながっていない人どうしを結びつける志向に注目し、それがイノベーションへの関与と結びつくことを示した。
- Stovel, K., & Shaw, L. (2012). Brokerage. Annual Review of Sociology. DOI ↗社会学における仲介の研究を総覧し、仲介の定義、仲介者が直面する緊張、仲介がもたらす帰結を整理した。
批判と境界条件
Stovel & Shaw (2012) は、仲介者が、両者を結びつける役割を果たす一方で、自分の利益のために立場を利用しているのではないかという疑いを向けられやすいという緊張を指摘している。仲介の利点を論じる際には、仲介者本人が得るものと、仲介される側や組織全体が得るものを分けて考える必要がある。
研究上の位置づけ
出典
- Stovel & Shaw (2012), Annual Review of Sociology ↗
- Gould & Fernandez (1989), Sociological Methodology ↗
- Burt (2004), American Journal of Sociology ↗
- Obstfeld (2005), Administrative Science Quarterly ↗
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