FIELD / ORGANIZATIONAL LEARNING
組織学習
研究分野「組織学習」(Organizational Learning)に分類される項目です(理論 15・概念 1・論文 2)。ひとつの理論が複数の分野に属することがあります。
理論・視点 15
吸収能力Absorptive Capacity外部の新しい知識の価値に気づき、それを取り込み、自社の商業的な成果に結びつける能力は、それまでに蓄積してきた関連知識の水準に大きく左右される、とする理論。アーキテクチュラル・イノベーションArchitectural Innovation製品の部品そのものはほとんど変えず、部品どうしのつなぎ方(アーキテクチャ)を組み替える革新は、既存企業が持つつなぎ方についての知識を役に立たなくし、しかもその知識は組織の仕組みに埋め込まれていて変化に気づきにくく直しにくいため、見かけ以上に既存企業を苦しめる、とする理論。実践共同体Communities of Practice学習は、頭の中に知識を取り込むことだけではなく、ある実践を共有する人々の集まりに加わり、周辺から次第に中心へと参加を深めていく過程だとする視点。意図的戦略と創発的戦略Deliberate and Emergent Strategy実際に実現する戦略は、事前に計画された意図的戦略だけでなく、日々の行動の積み重ねから結果として形づくられる創発的戦略が混ざり合ったものだ、という視点。ダイバーシティ・パースペクティブDiversity Perspectives職場の多様性が成果につながるかどうかは、多様性の量だけでは決まらず、その集団のメンバーが多様性をどう意味づけ、仕事にどう活かすべきものと考えているか(ダイバーシティ・パースペクティブ)によって左右される、とする理論。ダイナミック・ケイパビリティDynamic Capabilities環境が速く変わる中で競争優位を保つには、今ある資源を持つだけでは足りない。社内外の資源を組み合わせ直し、作り変える能力が重要だ、とする理論。探索と活用(知の探索・知の深化)Exploration and Exploitation組織の学習には、新しい可能性を試す「探索」と、既にあるものを磨く「活用」がある。活用は確実で早く成果が出るため優先されやすいが、探索を怠ると長期的な適応力を失う、とする枠組み。リーン生産方式Lean Production自動車産業の国際比較から、大量生産よりも少ない人手・空間・在庫・開発期間で、品質と多様性を両立する生産と企業運営のやり方を「リーン(ぜい肉のない)生産」と名づけ、それが工場の所在地を問わず取り入れられるとする視点。知識創造理論(SECIモデル)Organizational Knowledge Creation (SECI Model)組織の新しい知識は、言葉にしにくい暗黙知と、言葉や数字で表せる形式知が、共同化・表出化・連結化・内面化の四つの過程を通じて変換され、個人から組織へと螺旋状に広がることで生まれる、とする理論。業績フィードバック理論Performance Feedback Theory企業は業績を、自社の過去の業績や同業他社の業績から作る希求水準と比べて成功か失敗かを判断し、下回ると探索や変化に向かう、という考え方。ただし業績不振は硬直や生存への注意の移行も生むため、どんな条件で変化が起きるのかが中心的な論点になっている。心理的安全性Psychological Safetyチームのメンバーが「このチームでは、対人関係上のリスクをとっても安全だ」という信念を共有していると、フィードバックを求める、誤りについて話し合うといった学習行動が起こりやすくなり、それがチームの成果につながる、とする理論。ルーティン・ダイナミクスRoutine Dynamics組織のルーティンを、決まった手順が機械的に繰り返されるものではなく、抽象的な「型」の側面と、特定の人がその場で行う「実行」の側面が互いを作り合う行為のパターンとして捉える見方。Feldman & Pentland (2003) は、実行のなかで生まれた変異が型に選択的に保持されることで、ルーティンが安定だけでなく内側からの変化も生むと論じた。シングル・ループ学習とダブル・ループ学習Single- and Double-Loop Learning組織の学習には、決められた目標や前提の範囲で行動を修正するシングル・ループ学習と、その目標や前提自体を問い直すダブル・ループ学習の二つがある、とする理論。トランザクティブ・メモリー(交換記憶)Transactive Memory集団では、全員がすべてを覚えるのではなく、「誰が何を知っているか」を互いに把握し、記憶を分担している。この分担の仕組みが集団の知的な働きを支えるとする理論。ウプサラ・モデルUppsala Internationalization Model企業の国際化は、海外市場についての経験的な知識を少しずつ蓄え、それに応じて海外市場への資源の投入を段階的に増やしていく過程であり、知識と投入が互いに強め合いながら進む、とする理論。概念・現象 1
組織学習Organizational Learning組織が経験から推論を引き出し、それをルーティンや知識として蓄え、将来の行動を変えていく現象。個人の学習の総和ではなく、組織としての記憶や手順に残る点が特徴である。論文・書籍 2
Exploration and Exploitation in Organizational Learning組織学習における探索と活用新しい可能性の探索と、既存の確実性の活用の関係を組織学習の文脈で論じ、両者の間で資源を配分することの難しさを分析した論文。二つのシミュレーション・モデルで、活用に偏る学習が長期的には組織を弱めうることを示した。Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams職場のチームにおける心理的安全性と学習行動「チームの心理的安全性」という概念を提示し、オフィス家具メーカーの51チームを対象に、質的調査とアンケートを組み合わせて検証した論文。心理的安全性は学習行動を通じてチームの成果につながり、リーダーのコーチングや組織の支援は心理的安全性を通じて学習行動に影響することを示した。OTHER FIELDS
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