理論・視点
Contingency Theoryコンティンジェンシー理論(条件適合理論)
一言で言うと「どんな場合にも最善の組織」は存在しない。環境や技術などの条件に組織の形が合っているとき、成果が高まる、とする理論。
説明したい問い組織の最適な構造は、どのような条件によって変わるのか。
原典Lawrence, P. R., & Lorsch, J. W. (1967)
Organization and Environment: Managing Differentiation and Integration
Organization and Environment: Managing Differentiation and Integration
分類Theory
分析単位組織
理論系譜社会学
01
中核的な問い
古典的な管理論は、あらゆる組織に当てはまる「唯一最善の方法」を探した。しかし、同じ構造でも業界によって成果が違う。どんな条件のとき、どんな組織が合うのか。
02
主張とメカニズム
Lawrence & Lorsch (1967) は、プラスチック・食品・容器の三業界を比較した。変化の激しい環境では、部門ごとに目標や時間感覚が大きく異なる(分化)。成果の高い企業は、分化の程度が高いと同時に、それをまとめる調整の仕組み(統合)も強かった。
同じ時期、Burns & Stalker (1961) は、安定した環境では規則と階層に基づく機械的組織が、不安定な環境では柔軟な有機的組織が合うと論じた。構造そのものではなく、構造と条件の「適合(fit)」が成果を決めるというのが共通の主張である。
03
身近な例
規制が厳しく変化の少ない業務(経理など)ではマニュアルと承認手続きが機能する。一方、市場の変化が速い新規事業では、同じ手続きが足かせになる。一つの会社の中でも、部門ごとに合う組織の形が違う。
04
主要概念
- 分化(differentiation)
- 部門ごとに目標、時間感覚、対人志向、構造が異なる程度。
- 統合(integration)
- 分化した部門の活動をまとめ、協力させる程度とその仕組み。
- 適合(fit)
- 組織の特徴と、環境・技術・規模などの条件との整合性。
05
代表的な展開研究
- Galbraith, J. R. (1974). Organization design: An information processing view. Interfaces. DOI ↗不確実性が高いほど処理すべき情報が増えると考え、組織設計を情報処理の観点から整理した。
- Drazin, R., & Van de Ven, A. H. (1985). Alternative forms of fit in contingency theory. Administrative Science Quarterly. DOI ↗「適合」の意味(選択・相互作用・システム)を区別し、検証方法を明確にした。
06
批判と境界条件
環境が組織を決めるかのような決定論だとの批判がある。経営者は環境を選んだり変えたりもできる(戦略的選択論)。また、「適合」の定義や測定が研究ごとに異なり、結果が一貫しない。適合していれば成果が出る、という関係が同義反復になりやすい点も指摘されている。
出典
- 原典Lawrence, P. R., & Lorsch, J. W. (1967). Organization and Environment: Managing Differentiation and Integration. Harvard University, Graduate School of Business Administration.
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