Two-Sided Markets and Platforms二面市場・プラットフォーム
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一言で言うと異なる二つの利用者グループを仲介するプラットフォームでは、一方の参加者が増えるほど他方にとっての価値が高まる。そのため価格や戦略は、両側のバランスを見て決めなければならない、とする理論。
Platform competition in two-sided markets
中核的な問い
クレジットカード、ゲーム機、検索エンジン、フリマアプリなどは、二つの異なる利用者を結びつけて利益を得ている。こうした事業では、ふつうの市場の価格の考え方が当てはまらない。どちらの側に、いくら負担させるべきか。
主張とメカニズム
Rochet & Tirole (2003) は、二つの利用者グループがプラットフォームを介して取引し、一方の参加が他方の価値を高める市場を分析した。この効果を間接ネットワーク効果(交差ネットワーク効果)という。
こうした市場では、価格の総額だけでなく、両側にどう配分するか(価格構造)が取引量を左右する。そのため、参加を呼び込みたい側や、価格に敏感な側を無料や安い価格にし、他方から収益を得ることが合理的になりうる。これは、片側だけを見れば原価割れの価格でも、プラットフォーム全体としては理にかなう、ということである。また、両側がそろわないと価値が生まれないため、立ち上げ期に「鶏と卵」の問題が生じる。
身近な例
ゲーム機のメーカーは、本体を利益の出にくい価格で売り、ソフト会社からのライセンス料で稼ぐことがある。本体の利用者が増えるほどソフト会社が集まり、ソフトが増えるほど本体が売れるからである。検索エンジンが利用者には無料で、広告主から収益を得るのも同じ構造である。
主要概念
- 二面市場(two-sided market)
- プラットフォームが二つの異なる利用者グループを仲介し、両者の参加が互いの価値に影響する市場。
- 間接ネットワーク効果(indirect network effect)
- 一方の側の参加者が増えることで、もう一方の側の利用者の便益が高まる効果。
- 価格構造(price structure)
- プラットフォームが両側の利用者に課す価格の配分の仕方。
- 鶏と卵問題(chicken-and-egg problem)
- 両側がそろわないと価値が生まれないため、どちらも先に参加しにくいという立ち上げ期の問題。
代表的な展開研究
- Parker, G. G., & Van Alstyne, M. W. (2005). Two-sided network effects: A theory of information product design. Management Science. DOI ↗一方の市場で無料の製品を提供し、他方の市場で利益を得る戦略が合理的になる条件を示した。
- Armstrong, M. (2006). Competition in two-sided markets. RAND Journal of Economics. DOI ↗利用者が一つのプラットフォームだけを使うか、複数を併用するかによって、競争と価格がどう変わるかを分析した。
批判と境界条件
理論の多くは経済学のモデルに基づいており、プラットフォームを運営する企業の組織や能力、エコシステムの統治といった経営上の問題は、別の研究で補われてきた。また、ネットワーク効果が強くても必ず一社独占になるわけではなく、複数のプラットフォームの併用や差別化によって競争が続くこともある。独占や手数料をめぐる規制の議論とも深く関わる。
出典
- 原典Rochet, J.-C., & Tirole, J. (2003). Platform competition in two-sided markets. Journal of the European Economic Association. DOI ↗
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