Generic Strategies and the Value Chain基本戦略とバリューチェーン
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一言で言うと競争優位は、コストで他社より安くするか、他社と違う価値を提供するかのどちらかから生まれる。その源泉は、企業が行う一連の活動(バリューチェーン)の中にある、とする枠組み。
Competitive advantage: Creating and sustaining superior performance
中核的な問い
ファイブ・フォースは、どの業界が儲かりやすいかを説明した。しかし同じ業界の中でも、利益を上げる企業とそうでない企業がある。業界の中で、企業はどうやって優位な立場を築くのか。
主張とメカニズム
Porter (1985) は、競争優位には基本的に二つのタイプがあるとした。低いコスト(コスト・リーダーシップ)と、顧客が高い価格を払ってもよいと思う独自性(差別化)である。これに、業界全体を狙うか、特定の顧客層や地域に絞るか(集中)という競争の範囲を組み合わせ、基本戦略を整理した。どれも中途半端に追う企業は「窮地に立つ(stuck in the middle)」と論じた。
さらに、優位の源泉を具体的に探る道具としてバリューチェーンを示した。企業の活動を、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスという主活動と、調達、技術開発、人事管理、全般管理などの支援活動に分ける。どの活動でコストを下げ、どの活動で独自性を生むかを分析し、活動どうしのつながりまで考えることが重要だとした。
身近な例
格安航空会社は、座席の指定や機内食を有料にし、機材を統一して整備を効率化するなど、多くの活動をコスト削減に合わせている。一方、高級ホテルは、接客やサービスの活動に投資して差別化を図る。同じ「移動」や「宿泊」でも、活動の組み立て方がまったく違う。
主要概念
- コスト・リーダーシップ(cost leadership)
- 業界で最も低いコストを実現して優位を得る戦略。
- 差別化(differentiation)
- 顧客が価値を認める独自の特徴を提供し、高い価格を得る戦略。
- 集中(focus)
- 特定の顧客層や地域、製品分野に的を絞って、コストか差別化で優位を築く戦略。
- バリューチェーン(value chain)
- 企業の活動を主活動と支援活動に分け、価値とコストの生まれる場所を分析する枠組み。
代表的な展開研究
- Hill, C. W. L. (1988). Differentiation versus low cost or differentiation and low cost: A contingency framework. Academy of Management Review. DOI ↗差別化が需要や規模を通じて低コストにもつながり、両方を同時に追える場合があると論じた。
- Campbell-Hunt, C. (2000). What have we learned about generic competitive strategy? A meta-analysis. Strategic Management Journal. DOI ↗基本戦略に関する実証研究をまとめて分析し、その妥当性を検討した。
批判と境界条件
コストと差別化を両立させる企業も現実に存在し、「どちらか一方を選ぶべき」という主張には反論が多い。また、バリューチェーンは製造業を想定しており、ソフトウェアやプラットフォームのように価値が顧客どうしのつながりから生まれる事業には当てはめにくい。
出典
- 原典Porter, M. E. (1985). Competitive advantage: Creating and sustaining superior performance. Free Press.
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