M·T·AManagement
Theory Atlas
β版現在の収録数 118 項目
EVERYDAY QUESTION

頼まれると断れず、自分の仕事が回らなくなるのはなぜ?

同僚の手伝い、サークルの雑用、バイトの急なシフト。頼まれると断れずに引き受けてしまい、自分の仕事や勉強が後回しになる。研究では、職務として決められていない協力が組織を支えていること、そしてそれにはコストもあることが調べられてきました。

この疑問を説明する 2 つの理論

01

組織市民行動Organizational Citizenship Behavior · Organ 1988

職務として決められていなくても同僚を助ける、組織の活動に進んで関わる、といった自発的な協力が積み重なって組織を支えている、とする理論です。ただし援助はいつも得になるわけではなく、ある保険販売の研究では、援助行動が多いほど本人の販売量が少なかったと報告されています。また、同じ行動を職務の一部とみなすかどうかは人によって違い、その境界はあいまいだと指摘されています。

研究の根拠組織市民行動の研究のレビュー(Podsakoff et al., 2000)。援助が多いほど本人の販売量が少なかったという結果は1つの標本によるもので、その理由は著者らの推測にとどまる。

組織市民行動の解説を読む ↗
02

社会的交換理論Social Exchange Theory · Blau 1964

人間関係の多くは、何をいつ返すかが決まっていない、見返りを期待したやりとりとして捉えられる、とする理論です。助けてもらった側は恩義を感じ、お返しをしようとします。やりとりが重なると信頼が育つ一方で、受け取ったものに見合う形で返せないと、相手に従うことで返すほかなくなるともされます。断りにくさの背景には、こうした恩義と義務の感覚があります。

社会的交換理論の解説を読む ↗

もっと読むなら

資源保存理論(COR理論)Conservation of Resources Theory · Hobfoll 1989

時間や気力は限られた資源で、資源を投じたのに見返りが得られないことや、資源を失い続けることはストレスを生む、とする理論です。資源が足りなくなると、人は残った資源を守ろうとして防衛的になるとされます。

ここに挙げた理論は、疑問を考えるための手がかりです。どの理論がよく当てはまるかは、組織や状況によって変わります。

MORE QUESTIONS

ほかの身近な疑問